団体の紹介

パープル・ハンズとは?

 特定非営利活動法人パープル・ハンズは、性的マイノリティや多様なライフスタイルを生きる人びとの、学び合い、仲間作り、相談・コンサルティングと、高齢期も助け合うコミュニティ作りを目指すNPOです。

パープル・ハンズの名前

 性的マイノリティのシンボルは「レインボー」だけではありません。ナチスの同性愛者迫害にちなむ「ピンクトライアングル」、性的マイノリティの法律家ネットワークや人権運動でよく使われる「λ(ラムダ)」、レズビアンの象徴としても使われてきた「ラビュリス(両刃斧)」など多数あり、スミレの花や紫色も伝統的に性的マイノリティを表象してきました。
 パープル・ハンド(紫色の手形)も、1969年11月にサンフランシスコで起こった、差別的な新聞記事に抗議する性的マイノリティの行動に由来して、性的マイノリティのシンボルとして使われてきました。
 それを複数形にし、人びとの連帯の意味を込めて、本法人の名称に採用しました。
 *ウィキペディア「LGBTQのシンボル」などもご参照ください。

パープル・ハンズのロゴマーク

6つのパープル・ハンド(紫色の手形)が取り囲む樹木は、多くの人びとが手を取りあうなかで私たちの「人生の木」が育ってゆく姿を表現しています

ごあいさつ

北村浩(代表理事)

私は医療の分野に身をおくこともあり、人の死を幾度となく見送りました。親きょうだいに囲まれ亡くなる人、一人で亡くなる人、さまざまです。よく「死にざまは生きざま」と言います。それは独りで生きてきたものは独りで死ぬということではありません。死に直面したさいの気構えに、生きざまが現れるということです。我がままに生きて、十全に逝く。私たちは、それを少しでもお手伝いできればと、この団体を旗揚げした次第です。どうぞ末永くよろしくお願い申し上げます。

永易至文(理事 事務局長)

2010年春にaktaで「同性愛者のためのライフプランニング研究会」を呼びかけたところ、思いのほか多くのかたが参加され、性的マイノリティゆえのライフコースの見えなさに、不安や悩みをもつ人びとの多いことがわかりました。それから3年、コアとなるメンバーも増え、NPO化することになりました。生活者としての性的マイノリティが「暮らし・お金・老後」に向き合い、つながりあい、孤独のうちに高齢期を送らずともすむよう、みなさまとともに歩んでゆきたいと願っています。

私たちの思い

特定非営利活動法人 パープル・ハンズ
設立趣旨書

 近年、レズビアン・ゲイをはじめとした性的マイノリティをめぐる情況は、当事者運動や性教育・人権教育等の進展、メディアでの良質な情報の増加など、多くの人びとの努力により変化を見せてきました。たとえば、自分が性的マイノリティであることに気づいた若者が、自己を肯定的に受け入れる過程は、以前よりも困難でなくなりつつあると言われます。
 その一方で、中高年期から老後にかけての性的マイノリティの姿は、いまだ漠然としたままです。性的マイノリティであることを受け入れたとしても、その後、一生にわたる生活者としての安定したライフスタイルを、どう構築したらいいのかが不明なのです。
 そうした情況が、性的マイノリティのメンタルヘルスを損なわせ、アルコールや薬物等への依存症を誘起しているとも言われます。あるいは、ゲイ男性の間では、人生の長期的な展望が見えづらいことの反射として、若年期に刹那的で無防備な性行為を重ねてしまい、それがHIVをはじめとする性感染症の広がりと関連しているという専門家の指摘もあります。

 私たちは2010年以来3年間、ほぼ毎月、「同性愛者のためのライフプランニング研究会(LP研)」を開催してきました。LP研では、生活者としてのレズビアン・ゲイに必要なファイナンスや法制度にかかわる情報を収集・整理し、その活用を参加者とともに考えてきました。LP研は、さいわい多くの当事者や、性的マイノリティに理解があり支援的な人びとの参加も得て、現在まで継続することができました。

 この3年間の経験を礎(いしずえ)に、私たちは、レズビアン・ゲイにとどまらない性的マイノリティや多様なライフスタイルを生きる人びとの生活上のサポートと、あわせてそれらの人びとを理解し共に歩む人びととのネットワーク作りを目指し、つぎの段階へ踏み出すために、特定非営利活動法人パープル・ハンズの設立を決意しました。

 パープル・ハンズは、市井に生きる生活者としての性的マイノリティが、そのライフスタイルの形態や年齢、財力、疾病や障がいの有無にかかわらず、生涯にわたって住み慣れた場所で、快適で安心できる暮らしを送ることを目指しています。
 そのために、学び合い、ネットワーク作り、助け合いの事業を行ない、あわせて私たちの営みを社会へ発信し、社会の各方面の人びとと連携・協働します。
 そして、これらの活動を通じ、セクシュアリティを超えて、人と人とが繋がり合い、その多様性が尊重されるとともに、孤立の帰結としての孤独死のない社会の実現に寄与することを願っています。

 特定非営利活動法人パープル・ハンズ設立にあたり、性的マイノリティおよび多様なライフスタイルを生きる人びと、そしてそれらの人びとを理解し共に歩む人びとの、幅広い参加を呼びかけます。

2013年4月14日 創立総会にて

法人概要

名称:特定非営利活動法人パープル・ハンズ
所在地:東京都中野区東中野1丁目57番2号柴沼ビル41号室

目的
この法人は、性的マイノリティおよび多様なライフスタイルを生きる人びとが、そのライフスタイルの形態や年齢、財力、疾病や障がいの有無にかかわらず、生涯にわたって住み慣れた場所で、快適で安心できる暮らしを送るために、学び合い、ネットワーク作り、助け合いの事業を、当事者ならびに社会の各方面との連携・協働によって行なう。あわせて、それらの活動を通じ、セクシュアリティを超えて、人と人とが繋がり合い、その多様性が尊重されるとともに、孤立の帰結としての孤独死のない社会の実現に寄与することを目的とする。

特定非営利活動の種類
(1) 社会教育の推進を図る活動
(2) 保健、医療又は福祉の増進を図る活動
(3) 男女共同参画社会の形成の促進を図る活動
(4) 人権の擁護又は平和の推進を図る活動
(5) 前各号に掲げる活動を行なう団体の運営または活動に関する連絡、助言または援助の活動

法人の事業

(1)
性的マイノリティおよび多様なライフスタイルを生きる人びとの、
生活支援に関する情報の収集とその学び合い事業
(2)
性的マイノリティおよび多様なライフスタイルを生きる人びとの、
孤立を解消するネットワーク作り事業
(3)
性的マイノリティおよび多様なライフスタイルを生きる人びとの、
生活上の不安や困難を解消する助け合い事業
(4)
性的マイノリティおよび多様なライフスタイルを生きる人びとの生活支援のための、
社会各方面との連携およびコンサルティング事業
(5)
その他、前項の目的を達成するために必要な事業

情報公開
 定款の全文や事業年度ごとの活動報告、計算書類、役員名簿は、東京都のポータルサイトにおいて情報公開されています。